1.認知症とは
認知症が何かということについては、日本神経学会のHPや、DSMを見ると書いてありますが、おおざっぱにいって、
- 物忘れ(記憶力の低下、時間→場所→人の感覚が曖昧になる)があって
- 日常生活が成立しにくくなる
- 病気である
といったところです。
「日常生活が成立しにくくなる」といっても、ご家族のサポートがある場合と、独居の方では状況が違いますが、概ね「誰かの手助けが必要になる程度に、物忘れがある」とすると分かりやすいでしょう。
また、認知症は「MRIを撮ったら脳萎縮がある」という事だけで診断されるものではありません。診断には、以下の三つが必要になります。
- 認知症らしい経過(XX年前からXXといった症状で始まって、徐々に認知症らしい症状が沢山出てきた)
- 現症(現在の様子・HDS-RやMMSEといった簡易テストでの失点等)
- 画像(1,2を裏付ける変化がMRIやCTなどでみられる)
ある程度進行した状況であれば、3の画像検査が無くとも、認知症の病型に至るまで大まかな判断が付きますが、水頭症・慢性硬膜下血腫・脳腫瘍(稀)・HIV脳症(稀)・ヤコブ病といった病気は、画像検査をすればすぐにわかることが多いので、特別な理由がなければ画像診断はやはり行っておいたほうが良いでしょう。